運動をする時に掛け声をすると効果的な理由。スポーツでも生活でも気合を入れることで底力が発揮される

●『火事場の馬鹿力』のメカニズムをご存知でしょうか。知っていれば日常でも役に立つかもしれません。●

火事場の馬鹿力などと言われる、普段では出ない力が追い詰められた時などに、とても考えられない大きな力を発揮してしまう力のことです。

よく事例で聞くのが火事になって逃げるとき、いつもなら持ち上げられるはずもないタンスを持って外に出たという話があります。

普段は脳によって力の出し方を制限されていますが、仮に個人の筋肉の能力を制限無しで100%使えたとしたら、どんなことが起こるのでしょう。

重いものを持ったら、その衝撃で腱が切れるかもしれません。

骨が折れるかもしれません。

自らの力で体を破壊してしまうことになります。

それでリミッター(力の制限)をかけているわけです。

普段が20~30%の力で抑えられているとしても、あと5%でも10%でも体が壊れない範囲で効果的に力が出せれば良いと思いませんか?

それを自分の意志で自由に出せれば、それぞれの種目で考えられない記録が出てしまうことが考えられます。

さて、そこで今回は『火事場の馬鹿力』を意識をして出しやすくする方法の一つ、声を出す、気合を入れるをテーマにして簡単に利用ができるようなお話をしましょう。

●脳のリミッターを自分自身で外されるのか●

『自律神経』とは自分の意思でコントロールできません。

さらに自律神経には『交感神経』と『副交感神経』があります。

『交感神経』は活動する神経といわれ、『副交感神経』は休む神経といわれます。

その『交感神経』によって危険を感じたとき無意識にアドレナリンを出して『火事場の馬鹿力』という反応が発揮されると考えられます。

さてこの火事場の馬鹿力を機会あるごとに使用できれば、競技などには有利になることは明白です。

脳から出された制限を解除する方法はいくつか存在するようです。

その中で『気合い』については、かなり簡単な部類です。

実は空手では『気合い』は重要視されています。

分かりやすく言えば基本稽古の時で、一本一本、突いたり、蹴ったりする時に気合いを入れます。

私の空手の先生からその重要な『気合い』について言われたことの記憶はいくつかありますので紹介してみます。

入門して最初に聞いたのは、組手(お互いで技を掛け合い、実戦を想定した攻防、スパーリング)の最中に突きや蹴りで声を出さないでいると再三、言われた言葉です。

「ボクサーのようにシュッシュッ、シュッシュッ言うんじゃない! しっかり気合を入れろ!」

初心者のときは『気合い』の重要性はまだわからず、大きく声を出しているとまだ慣れないためか呼吸がつらくなったりしていました。

また攻撃の前に声を出すと「これから突くぞ」と言っているようで、防がれそうに思え、多くはボクサーがパンチをする際に短い呼吸で打っている場面、先生の言う「シュッシュッ、シュッシュッ」と聞こえる呼吸の方が楽に動けたのです。

それにイメージとしてボクサー式の方がスマートな感じがあったからだと思います。

●空手の中で気合の重要性を感じる●

私の空手の先生は基本稽古や、まさしく『気合い』という一見地味に感じる部分こそ、うるさい位に注意が飛びました。

しかし初心者ほどその本意を理解していないことが多く、またそれを理解させようと努力して教えようという気も、あまりないかも知れません。

自分で感じとれ、技術は盗めという職人気質の感覚があるようです。

脱線しますが後年そのことが引っかかり、人に教えるときは、くどくならない程度に細かく説明するようになりました。

後で気がつくより、理解して動いた方が良いと思ったからです。

他にも初心者の頃に先生が言っていたことで覚えていることがあります。

「入門したばかりの者はどう頑張っても、技や技術は先輩には絶対勝てないんだ。しかし、勝てる技術が一つある。」

ここで我々は「おっ、それは聞いておかないと…」と耳をかたむけます。

「それは気合いの大きさだ。先輩より大きな声を出すことは稽古の初日からできるし、勝つことが出来るんだよ。気合いも技の一つなのだからな。」

その頃は「なーんだ」と思ってしまいました。

他にもう一つ。

「君たちの先輩には、気合いが小さいと怒られた者は数えきれない位いるが、気合いが大きくて怒られた者は一人もいないんだ。」

だから遠慮せずに大きな声を出せという意味です。

別に遠慮して声が小さいわけでもないんですけどね。

気合いについて、今でも覚えている先生の言葉です。

●生活上では普通に掛け声でも効果はある●

やはり『気合い』はスポーツの利用には欠かせないように思います。

陸上競技の投てき、ハンマー投げ・円盤投げ・やり投げなどは、無言で投げるより、声を上げた方がどう考えても飛ぶでしょう。

スキーのジャンプ競技でも、飛ぶ瞬間に声を出すほうが自然ではないでしょうか。

無言、または小さな気合いの場合もあるようですが、力が出せる開放されたリラックス状態にするには声を出し切る方が有利と言えます。

そこで生活上で言えば力を出す時、物を持ち上げる時に積極的に使用すれば良いでしょう。

なんだか簡単な結論になってしまいました。

年を取ると各動作で「どっこいしょ」が出ると周りから言われることがありますが、気にしなくても良いのではないかと個人的には思います。

力を効率的に出すことによって、無理がなくなり体を守ることにつながります。

●最後に『火事場の馬鹿力』の実例を一つ紹介します。●

高校生が昼休みに校庭に出ていたときのことです。

隣のマンション3階から1歳位の子供がベランダから落ちそうになっているのを発見しました。

気がついたときには落下していたのですが、飛ぶように走り、見事にキャッチしたのです。

大変なお手柄ではありましたが、後で詳細を聞いてあることに気がついた人がいました。

校庭のここで落ちると判断して、マンションの落下地点までの最短距離を確認しました。

おまけにその最短距離上はグラウンドで走れるような平坦ではなく、障害物のほかに花壇もありました。

計算すれば子供が落ちて地面に叩き付けられる時間は、おおよそ出ます。

常識的には、その数秒の時間内に校庭の場所からマンションまで間に合うはずがないのです。

例えオリンピック短距離走の選手でも無理なはずの距離だったのです。

しかし、現実には間に合って子供の命は助かりました。

これが火事場の馬鹿力での動きだったと説明するしかありませんでした。

人間にはまだまだ解明されていない部分はあるものです。

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